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その部屋の一方の壁に、大むかしの、どこかの寺院の杉の板戸いたどが、一まいたててあります。むかしの名人がかいた豹の絵です。板戸いっぱいに、青みがかった岩山がかいてあり、一ぴきの巨大な豹が、岩の上に、前足をかけて、こちらをにらんでいる絵です。さすがに、名人の作だけあって、その豹は、まるで生きているようです。どこからながめても、自分がにらまれているように見えるのです。それでこの絵は八方にらみの豹と名づけられていました。
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