mdbk016巨乳痴女私はあははと笑う――「間もないことだ」
今日明日と医師のことに戒めしその今日は夕べとなりて、部屋へや部屋は燈ともしびあまねく点つきたれど、声高こわだかにもの言う者もなければ、しんしんとして人ありとは思われず。今皮下注射を終えたるあとをしばし静かにすとて、廊下伝いに離家はなれより出いで来し二人の婦人は、小座敷の椅子いすに倚よりつ。一人は加藤子爵夫人なり。今一人はかつて浪子を不動祠畔ふどうしはんに救いしかの老婦人なり。去年の秋の暮れに別れしより、しばらく相見ざりしを、浪子が父に請いて使いして招けるなり。
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