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伊達家の麻布屋敷にいた伊達安芸あきは、早朝に起きて沐浴もくよくし、白の下襲したがさねを着て朝食の膳ぜんに向かうと、涌谷わくやから供をして来た家従たち、老臣から小姓頭などに、盃を廻した。膳部は安芸みずからの献立によるもので、まえの夜から膳番に支度が命ぜられ、二汁じゅう七菜に酒二献こんであった。次に、安芸は熨斗目麻裃のしめあさがみしもを着け、出陣の熨斗を取って祝ったあと、玄関の式台前でまた酒肴を出し、留守の者から供をする小姓、徒かちの者たちにまで盃を与えた。
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